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EDも早漏もキーワードは「交感神経」ED治療薬が早漏に効果的な理由

こんにちは、ハイブリッド鍼灸師の平谷です。

前回までで、ED治療薬が早漏にも効果があったという論文の紹介や、早漏とEDの共通点は、自律神経系の影響が大きく関わっていることをご説明しました。

 

【関連記事】
ED治療薬で早漏改善!?バイアグラ・レビトラ・シアリスの比較実験
野生から紐解く!!自律神経が支配する勃起と射精の神経系の違い

 

今回は、上記のコラムでお話した早漏とEDの共通点をふまえながら、なぜED治療薬が早漏に効果があるのかをお話します。

 

以前の記事でも参考にさせていただいた文献中に紹介されている論文の中に『ED治療薬3薬剤であるバイアグラ・レビトラ・シアリスを勃起促進(PDE5阻害)以外での角度から血管拡張の効果を得られるメカニズム』をテーマにしている論文があり、ED治療薬が早漏に効果があることの根拠が見出せると私は考えています。

 

『日本Men’s Health医学会News Letter vol.9 April 2012「PDE-Ⅴ阻害薬の薬理的特性の差異」札幌医科大学医学部細胞生理学講座教授 當瀬 規嗣』
http://mens-health.jp/pdf/News_Letter_Vol9.pdf

 

 

ED治療薬の主作用PDE‐5阻害

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ED治療薬3薬剤に共通する主な作用のおさらいしながら進めて行きます。

↓こちらの記事に詳しい説明を掲載しています
PDE5・cGMP・GC・NO ~EDの原因と勃起化学反応の関係~

 

バイアグラやレビトラ・シアリスなどの主な働きとしては、

 

①勃起はペニスの血管が拡張することで起こります。

②血管を拡張させる物質は、サイクリックGMPです。

サイクリックGMPを分解してしまう酵素がPDE‐5です。

PDE‐5の働きを抑えるのがPDE‐5阻害作用です。

 

ED治療薬に共通する主作用が、このPDE‐5阻害作用で、

この作用によって血管が拡張し続け、勃起が続くのです。

 

交感神経の作用に介入できるED治療薬

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上記でご紹介した論文では、

シルデナフィルとバルデナフィルはPDE‐5阻害作用以外の血管拡張作用としてレセプター作動性カルシウムチャネルと電位依存性カルシウムチャネルの抑制作用を併せ持つことが明らかとなったが、タダラフィルにはこれらの作用が弱く、3剤の中では比較的選択的なPDE‐5阻害薬としての特性を有することが分かった。

 

シルデナフィルはバイアグラ、バルデナフィルはレビトラ。

カルシウムチャネルは血管を細くする筋肉を収縮させるスイッチです。
つまり血管収縮のスイッチです。

 

交感神経の作用である2系統の血管収縮作用に対して拮抗作用があることで血管拡張作用を持つとこの引用部分の前で詳しく解説しています。特にバルデナフィルで強い作用があることがグラフにより示されています。

 

さらに、

勃起反応に対する交感神経の阻害作用はシルデナフィルとバルデナフィルでよく排除できると推定でき、精神的緊張でもたらされる勃起不全の治療には向いていると考えられる。一方、タダラフィルは長時間作用型であることを加味すると、非性交時において海綿体血流を改善して、これを維持することが可能であると考えられる。

 

たびたびお話していますが、
勃起は自律神経系のリラックス・回復モードである副交感神経優位にならなければ起こりません。

 

仕事・攻撃モードの交感神経の活動は、勃起とは反対の方向に働きます。

 

この論文では、シルデナフィル(バイアグラ)とバルデナフィル(レビトラ)は、勃起反応に対する交感神経の阻害作用を排除できると推定できるとしています。

 

 

早漏治療にも交感神経の作用に介入することが必要

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上記の引用を簡単に要約すると、

 

副交感神経の働きで「勃起」した状態に対し、

「射精現象」を実行する為に関与してくる交感神経からの働きを

カットできるかもしれない。

 

ということです。

 

前回の記事でもお話した通り、
早漏とEDは、交感神経の影響がより一層大きいために起こる自律神経系の誤作動です。

参考記事 ▶ [野生から紐解く!!自律神経が支配する勃起と射精の神経系の違い]

 

シルデナフィル(バイアグラ)とバルデナフィル(レビトラ)が、
交感神経の作用を取り除くことで「勃起」を促進すること。
(ED・勃起不全の改善)

同じく交感神経の活動が大きく影響を与える「早漏」に対して、
交感神経の作用を取り除くことで勃起から射精の時間(ELT)を延長させること。
(ELTの延長・早漏の改善)

 

この「勃起」と「早漏」への2つの作用はほぼ同様のことと定義することができます。

ED治療薬の交感神経の作用を取り除くという働きが早漏の改善にも働くということです。

 

ED治療薬は早漏にも効果がある

一見、正反対の早漏とEDに同じ薬剤が有効とはなかなか信じられない話なのですが、実は生理学的,医学的には矛盾がないのです。

 

前回に書いたコラムでより詳細な内容を解説させて頂いております。

【関連記事】
ED治療薬で早漏改善!?バイアグラ・レビトラ・シアリスの比較実験
野生から紐解く!!自律神経が支配する勃起と射精の神経系の違い

 

併せて読んで頂ければ幸いです。

 

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平癒堂鍼灸(へいゆどうしんきゅう) 平谷 透 E-Mail : shinq.th@gmail.com