遅漏。
なかなか射精できない。
勃起は問題ないのにイケないからパートナーに申し訳ない気がする。
ネットで調べても「心理的な要因」とか、「弱い刺激に慣れましょう」的な話しか出てこない。
説明を聞いても、なんか自分にはピンとこないし、具体的にどうしたらいいか分からない。
そういう風に思っている方は、このコラムと次回のコラムを読んでください。
遅漏のほんとうの原因と、自分の遅漏の特徴(タイプ)を知ることで改善方法が見えてきます。
今回のコラムで、まずは「遅漏のほんとうの原因」についてお話しします。
次回のコラムで遅漏の特徴(タイプ)別の改善方法についてお話しします。
目次
1. 遅漏の改善に取り組む前に一番重要なこと
まず、このコラムでお話しすることは、器質性(身体的に問題がある)の遅漏(射精障害)には当てはまりません。
ですから、「射精しないだけだから自分は病気ではない」と思われている方もおられると思いますが、まずは泌尿器科,男性科,メンズクリニック、などの医療機関を受診されてください。
2. 遅漏のほんとうの原因は快感不足
インターネットで検索すると「遅漏は間違った自慰行為が原因です」的な話がよく出てきます。
その後、「強いグリップ」や「足ピンオナニー」、「床オナニー」が遅漏の原因なので、解決方法として「弱い刺激に慣れましょう」的な話が続きます。
そういう情報を得ても解決しそうにない方はこのコラムを最後まで読んでみてください。
平癒堂鍼灸は、「強いグリップ」「足ピンオナニー」「床オナニー」などの強い刺激が遅漏の原因だとは考えていませんし、それらを止めることで遅漏が改善するとも考えていません。
正確に言うと止められないのです。
「強いグリップ」「足ピンオナニー」「床オナニー」は、あくまで結果です。
ですから、その結果を生んだ原因にアプローチしない限り遅漏は改善しないと私は考えています。
「強いグリップじゃないと『快感が得られない』」
「足ピンオナニーで下半身に力が入らないと『快感が得られない』」
「床オナニーでペニス全体に強い圧をかけないと『快感が得られない』」
射精に必要な快感が得られていないから、「強いグリップ」「足ピンオナニー」「床オナニー」に、ならざるを得なかったということです。
射精は自律神経系の交感神経の働きですが、交感神経の活動レベルが上がるには快感が必要です。
気持ちよくなければ射精できないわけです。
また、その前に気持ちよくなければ勃起自体も維持できません。
射精に必要な快感が十分得られていないから、結果として「強いグリップ」「足ピンオナニー」「床オナニー」をしてしまっているので、それを止めてしまうと、余計に射精に必要な快感が得られないから「強いグリップ」「足ピンオナニー」「床オナニー」をなかなか止められない。
というのが実態だと私は考えています。
遅漏のほんとうの原因は「快感不足」なのです。
3. ペニスの皮膚感覚が取れていないことが快感不足の原因
快感が足りていないのは分かるけれども、「ペニスの皮膚感覚が取れていない」と言われてもピンとこないと思います。
説明します。
勃起を維持して射精までたどり着くには快感が必要です。
要は、気持ちよくなければ勃起も射精もできないということです。
勃起中枢は、上位中枢の「脳」と、下位中枢の「仙髄」の2つに分かれています。
理想の勃起は、この2つに分かれた勃起中枢の連携が取れた状態で起こっています。
しかし、実は、仙髄の反射(脊髄以下の反射)だけでも勃起が維持できるのです。
ただその場合、勃起の上位中枢である脳と下位中枢の仙髄の連携が取れていない勃起になるので、勃起の質(ペニスの硬さ)は、脳との連携が取れて完成した勃起に比べて落ちることになります。
勃起の上位中枢である脳と下位中枢の仙髄が連携するには「快感」が必要になります。
(このコラムの最後の「参考コラム①:勃起中枢」で2つに分かれた勃起中枢の連携について詳しくお話ししています)
4. 平癒堂鍼灸の快感の定義と射精
「ある刺激によって生じた感覚情報のうち、脳内で情報処理された量が一定量以上で、脳はその刺激によって生じた感覚に対して快感認定をする」と言うのが平癒堂鍼灸の快感の定義です。
(このコラムの最後の「参考コラム②:快感の定義」で平癒堂鍼灸の考える快感について詳しくお話ししています)
快感が得られることで勃起が起こり、快感が得られ続けることで、その勃起が持続して、更に快感が得られることで射精が起こります。
勃起は副交感神経の働きによる生理現象ですが、射精は交感神経の働きで起こる生理現象です。
勃起した状態で快感が連続して得られて、交感神経の活動レベルが上がって、その快感の量が(結局は感覚の量ですが)一定量以上になると射精が起こります。
射精は交感神経の活動レベルが高まらないと起こりません。
射精の後、今まで性的に興奮していた自分がどこかへ行ったかのように冷静な感じになる、いわゆる「賢者タイム」は、射精で交感神経の活動が高まるからです。
5.射精には亀頭の感覚が重要
一番ポピュラーだと考えられる、握って擦るスラストのオナニーだと、刺激できるのは、主にサオの部分です。
包皮のあまり具合にもよりますが、亀頭のカリの部分ぐらいまでは刺激できても、亀頭のカリよりも先の部分は、握って擦るスラストでは刺激できません。
要は、亀頭の感覚を使うのは、パートナーのいるセックス以外ではほとんどないということです。
セックス以外でほとんど使うことのない亀頭の感覚が、よく分かるようになるわけがありません。
これが困りものなのです。
亀頭の感覚が分かりにくいと快感不足を招きやすくなります。
なぜなら、ペニスにある感覚受容器(物理的な刺激・機械刺激に反応する神経)の密度は、サオの部分よりも亀頭の方が高いからです。
先程お話ししたように、性的に興奮しているときに脳内で処理される感覚量が多いと快感が得られるわけですから、亀頭の感覚が分かりにくいと快感を得る上では不利です。
一般的なスラストによるオナニーを続けていると亀頭が刺激されにくいので、感覚受容器の多く存在する亀頭の感覚が分かりにくいままですから、それでは大量の快感が得られにくくなり、結果、射精しにくくなるということです。
射精しにくいのは、亀頭の感覚がよく分かっていないことからくる快感不足が原因なのです。
遅漏のほんとうの原因は「亀頭の感覚がよく分かっていない」ことにあったのです。
また、脳の認知的にも、「亀頭がこすれている、すなわち、亀頭に連続的に刺激が入るということは、ペニスが膣の奥に到達しているということだ。」「と、いうことは、そろそろ射精してもいいな。」となるわけです。
脳が「もうすぐ射精が必要だ」と判断すれば、脳‐自律神経系のあらかじめ前もって準備してくれるフィードフォワード反応であるアロスタシスが働いて射精が起こります。(このコラムの最後の「参考動画①:アロスタシス」で脳‐自律神経系の、前もって準備する機能について詳しく話しています。)
「遅漏の原因は亀頭の感覚がよく分っていないから」と聞いてピンときた人は次回のコラムでタイプ別の改善方法についてお話ししますので楽しみにしていてください。
今急いで書いています。遅筆ですみませんm(_ _)m
「遅漏の原因が亀頭の感覚がよく分っていないから」と聞いてもピンとこない人は、この後に書かれてある項目をチェックしてみてください。
一つでも当てはまるようであれば次回のコラムも読んでみてください。
6. 亀頭の感覚がよく分かっていない人の特徴
特徴1:「パートナーの膣圧がもう少しあればイケると思う」
特徴2:「パートナーに口でしてもらっても気持ちよくない・すぐ飽きる・あまり好きではない」
特徴3:「素早いピストン運動が続けてできた時は射精できる」
特徴1:「パートナーの膣圧がもう少しあればイケると思う」
今以上の膣圧が欲しいと感じているのは、いわゆるサオの感覚を主に取っているからだと考えられます。
亀頭の感覚がよく分かっていれば、亀頭を膣壁や子宮口に擦りつけることで快感が得られます。
だから、膣圧に頼らなくても快感が得られるので膣内で射精できます。
特徴2:「パートナーに口でしてもらっても気持ちよくない・すぐ飽きる・あまり好きではない」
視覚的にはある程度興奮するが、口で刺激してもらっても、あまり気持ちよくない、だから積極的にして欲しいとはならない、あまり好きでもない、という方は亀頭の感覚がよく分かっていないことが多いようです。(このコラムの最後の「参考動画②:遅漏」で、ペニスが三枚に下ろせるという話の中で亀頭の刺激が気持ちよくない理由について詳しく話しています。)
亀頭の部分も中身は海綿体ですが、海綿体の表面に硬い膜のない構造なので、海綿体の表面に硬い膜のあるサオの部分と違って、カチカチにはなりません。
亀頭の部分はカチカチに見えていても指で押せば簡単にへこみます。
亀頭の部分は押し返してくる圧がないので表面の感覚だけです。
サオの部分には海綿体の表面に硬い白膜があるので、十分に勃起しているときは握っても、握る圧に対抗できる反発力があります。
つまり、実際に硬くなっています。
ペニスの内側の感覚も存在します。
サオの部分は「皮膚表面の感覚」と「ペニスの内側の感覚」があるのに対して、亀頭の部分は、実質的に「皮膚表面の感覚」しかありません。
口でペニスを刺激してもらう際に、よほど特殊なことをしなければ(テクニックがなければ)海綿体の内圧に影響を与えられるような刺激はできません。
口でペニスを刺激してもらう時には、ほぼ皮膚表面の感覚しか生じないので、亀頭の感覚(皮膚表面の感覚のみ)がよく分からない場合は、口でしてもらっても気持ちよくないということになります。
特徴3:「素早いピストン運動が続けてできた時は射精できる」
特徴1とも共通しますが、主にサオの感覚を取っているので、ピストン運動で生じた摩擦による感覚によって快感を得ている場合、より多くの快感を得て射精するには、より速く動く必要があります。
より多くの快感を得るには感覚の量自体を多くする必要があります。
速く動く必要がありますし、その速いピストン運動を一定時間以上続ける必要があります。
体力の消耗が激しいので余力があるときは射精できるということです。
この3つの特徴のどれかに当てはまるか、「そういえばサオの感覚しかないな」「確かに亀頭の感覚って言われてもがよく分からないかも」とう方は亀頭の感覚がよく分かっていない可能性があります。
次回のコラムも読んでみてください。
遅漏・膣内射精障害を卒業するキッカケになるかもしれません。
参考コラム①:勃起中枢
「中折れ」の原因は勃起中枢が2つあるから?イメージで理解する「中折れ」のメカニズム
参考コラム②:快感の定義
勃起しろと念じても硬くならない理由 ~ 勃起に必要なのは「リラックス」「ムラムラ」「快感」~
参考動画①:アロスタシス
【勃起110番ライブ】性的興奮の正体はアロスタシス!? ~ 脳の予測が自律神経をドライブさせる ~
参考動画②:遅漏
【勃起110番ライブ】亀の頭が気持ちよくない? ~ 近い将来ED確定!? ~
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平癒堂鍼灸(へいゆどうしんきゅう) 平谷 透 E-Mail :shinq.th@gmail.com