近ごろ七部袖のTシャツの上にお気に入りのTシャツを重ね着するのが気に入っていたのですが急に暑くなって重ね着できなくなっちゃいました。
くやしいです。
こんにちは、ハイブリッド鍼灸師の平谷です。
目次
・一般精液検査で分かる男性不妊 (造精機能障害※1による)
・造精機能障害※1には、多くがビタミン剤や漢方薬が選ばれる(非内分泌療法)
・処方される代表的な漢方薬
- 補中益気湯(ほっちゅうえききとう)
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
・男性不妊の漢方薬効果と平癒堂鍼灸の鍼効果との共通点
・西洋医学的アプローチと東洋医学的アプローチの不思議な一致
※1 精子を作り出す機能自体に問題があり、精子をうまく作れない状態
目次
一般精液検査で分かる造精機能障害による男性不妊
男性不妊症の診断をするのに、その根拠となる一般精液検査。
精液の性状(量的な状態)を調べる検査です。
この検査で分かる精液所見に基づいて治療法が決められていきます。
精液所見が、「精子の数が少ない」、「精子の運動率が低い」、「正常形態の精子が少ない」という状態(OAT症候群と呼ばれることもあります)だと、精子がうまく作られない造精機能障害に分類されます。
造精機能障害※1には、多くがビタミン剤や漢方薬が選ばれる(非内分泌療法)
(※1 精子を作り出す機能自体に問題があり、精子をうまく作れない状態)
造精機能障害※1は、原因不明なことが多く、その場合、特発性造精機能障害と呼ばれます。
精液検査以外の検査で異常が見つからないケースも多く、血液検査ででもホルモンの数値に問題がない場合は、正直なところ決定的な策がありません。
そんな場合に、血流改善などを目的として、ビタミン剤や漢方薬を使った非内分泌療法が選ばれます。
非内分泌療法は、ART(体外受精や顕微授精法など高度な技術が必要な生殖補助医療)と併用されることもあります。
前置きが結構長くなりましたが、今回は造精機能障害※1による男性不妊によく処方される漢方薬と平癒堂鍼灸の共通点についてお話しします。
まずは漢方薬のお話から。
処方される代表的な漢方薬
男性不妊に対して医療機関でしばしば処方される漢方薬の、“補中益気湯”(ほっちゅうえききとう)、“八味地黄丸”、(はちみじおうがん)、“牛車腎気丸”(ごしゃじんきがん)。
これらの漢方薬の説明をします。
表現に正確でないところもありますが分かりやすさを優先しています。
補中益気湯(ほっちゅうえききとう)
中を補い(助け)、気を益す(=増す)という名前の漢方薬です。
東洋医学では内臓(五臓六腑)を機能によって分類しています。
“中”は東洋医学では、消化機能の中心となる“脾と胃”(西洋医学の脾臓,胃とは異なる)を指します。
その東洋医学的な“脾と胃”を助け、その“脾と胃”によって食べ物を消化吸収して得られる“気”(エネルギー)を増やすといったイメージの漢方です。
この“食べ物から得られる“気”は、生まれてから新たに得られる“気”ですので“後天の気”と呼ばれます。
一般には、胃腸の弱い虚弱体質の場合で、疲労倦怠,夏バテ,痩せに処方されることが多いようです。
いわゆる滋養強壮に使われます。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
“血”を補う働きのある“地黄”を中心に配合されていて、8種類の生薬からできているので“八味地黄丸”です。
“腎”(東洋医学的臓腑の概念)には、生まれながらにして持っている“気”である“先天の気”が納められています。
そして、“先天の気”(エネルギー)は年齢とともに減っていきます。
その“腎”の“気”を補う漢方薬として有名です。
老化に伴う症状に対する漢方で、もともとは尿のトラブルや足腰の症状、目の症状にも処方されることが多いようです。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
牛膝(ぎゅうしつ)や車前子(しゃぜんし)は、“利水”といって水の循環をよくし無駄な水分を取る作用があります。
ちなみに牛膝には抗酸化で有名なサポニンが含まれています。
この漢方も“先天の気”である“腎気”を補うという働きがあります。
牛車腎気丸には、八味地黄丸の主成分でもある“地黄”が使われていて“血”を補い“脾”を助けています。
東洋医学的な“脾”(後天の気)と“腎”(先天の気)を補う漢方です。
むくみや下半身の症状、“腎”に通じているとされる耳の症状(耳鳴り)にも処方されるようです。
男性不妊の漢方薬と平癒堂鍼灸の鍼効果との共通点
前回、当院での基本治療は、まず「交感神経の活動を鎮静化させる鍼」、次に「副交感神経を刺激する鍼」という2ステップ治療ですというお話をしました。
これを実際に施術する体の部分で言うと、腰(背中の中ほどから下)とお尻(股関節)の二ヵ所になります。
この腰とお尻へのアプローチ、実は“脾”と“腎”へのアプローチでもあります。
腰(背中の中ほどから下)の鍼は、“中”(消化機能)である“脾”へのアプローチで、 お尻(股関節)の鍼は、生殖器を含む骨盤内臓器=東洋医学的“腎”の機能へのアプローチでもあるので、一般的に処方されている漢方薬と同様の効果・効能を期待しています。
西洋医学的アプローチと東洋医学的アプローチの不思議な一致
もともとは、生殖器に対する西洋医学的アプローチとして、腰が交感神経、お尻が副交感神経という平癒堂鍼灸的理論で施術しているのですが、結果として男性不妊(造精機能障害)に処方される漢方薬とアプローチしている体の部分が同じになっています。
西洋医学的なアプローチをしていたつもりが、東洋医学的アプローチにもなっていたということになります。
非常に興味深いことだと思われませんか?
p.s. ちなみに当院では、これとはまた異なる東洋医学的アプローチ(入江式)でも精子力アップ(精子力アップについてはコチラも参考に)を行っています。
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平癒堂鍼灸(へいゆどうしんきゅう) 平谷 透 E-Mail : shinq.th@gmail.com