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「正常位になると萎えるのはなぜですか?」~ 勃起の質は自律神経次第 ~【勃起LINE相談】

今回は、LINE相談でよくご質問いただく「正常位になると萎えるのはなぜですか?」にお答えしたいと思います。

「正常位になると萎える」のは「EDあるある」の一つです。

挿入前にパートナーにオーラルで刺激してもらって、男性がベッドに仰向け、女性が上になるポジションで挿入、その後は勃起も続いているようなので、今度は男性が上になって…」と、いわゆる騎乗位から正常位に体位変換をおこなうときに、「萎えてしまって再び挿入できない。」あるいは、「正常位で挿入したものの、うまく動けないので一旦抜いてみたら萎えていた。」「ペニスの感覚がないので抜いてみたら萎えていた。」

パターン的に多いのはこんな感じです。

今回は、正常位で頑張ろうと思ったのに頑張れなくて悔しい思いをした方のための記事です。

正常位になると萎える問題にお答えしている動画もあります。よければご視聴下さい。
勃起Q&A「体位を変えるときに元気がなくなるのはなんでですか?」

https://www.youtube.com/watch?v=nsmqNgbctvA&t=48s&authuser=0

‐目次‐
① 勃起は自律神経の働き
② 勃起に必要なのは自律神経が副交感神経優位の「リラックス」
③ ベッドに横になっているときは副交感神経優位
④ 体を起こすと交感神経の活動レベル上昇
⑤ 正常位になっても萎えない勃起は自律神経次第
⑥ 正常位で萎えないようにするためには自律神経ギャップを大きくする必要がある
⑦ 自律神経に揺さぶりを掛けることで自律神経ギャップが大きくなる
⑧ 自律神経に揺さぶりを掛ける平癒堂鍼灸の鍼
⑨ 副交感神経優位になる機会が多いと勃起しやすくなる
⑩ 自分でできる勃起しやすい自律神経作り

① 勃起は自律神経の働き

「勃起に必要な自律神経の状態は副交感神経優位だ」という話はお聞きになったことがある方も多いと思います。

「もう、それ知ってる。」って方は、2つ先の「③ベッドに横になっているときは副交感神経優位」から読んでください。

自律神経に関してちょっと説明します。

自律神経は内臓をコントロールしている神経です。

自分の意思とは関係なく、起きているときも寝ているときも、意識があるときもないときも、「自律」的に、24時間年中無休で自動的に活動してくれているので自律神経です。

自律神経の有名な働きは「恒常性の維持」です。

「ホメオスタシス」とも言います。

体の外の環境が変化しても体の中の環境・機能を一定に保つのが自律神経の役割です。

体の中の環境を一定に保つのは生命活動を維持するためです。

体温や血圧、ホルモンやその他の物質の血中濃度などを一定に保って、まさに「生きる」ことを続けさせてくれているのが自律神経です。

自律神経は、その場その場に適した生理現象を起こしてくれています。

生理現象は、自律神経がコントロールしてくれた内臓の活動の結果です。

その場その場に適した内臓の活動になるように内臓をコントロールしてくれるのが自律神経なのです。

男性生殖器も内臓です。

ペニスも睾丸も精巣も前立腺もみんな内臓です。

そうです。セックスのときに必要な生理現象である「勃起と射精」も自律神経の働きなのです。(だから自分の意思では勃起も射精もコントロールできないのです。)

勃起と射精は、自律神経が内臓である男性生殖器をコントロールした結果である生理現象なのです。

正確に言えば、勃起と射精は自律神経の反射を介した生理現象です。

② 勃起に必要なのは自律神経が副交感神経優位の「リラックス」

勃起は、「性的興奮が無いときには細くなっている『ペニスの血管』が広がって、血液がペニスにどっと流れ込んで、血管のかたまりであるペニスが血液で満たされて膨らむ=勃起」という生理現象です。

このペニスの血管を拡張させるのが、骨盤内にある神経のネットワークの一部である副交感神経の働きです。(副交感神経は骨盤内以外にも存在します)

だから、勃起には副交感神経の活動が高まることが必要です。

そして、副交感神経の活動が交感神経の活動を上回ったらしい状態が、いわゆる自律神経が副交感神経優位の状態です。

このいわゆる副交感神経優位が「勃起の開始に適した自律神経の状態」です。

補足
もうちょっと自律神経に関して説明しておきます。
副交感神経は、体が「リラックス・回復モード」の時に主役になる自律神経です。夜の自律神経とも言えます。
「食事した後のちょっとボーっとした感じ」、「ゴロゴロしていて気持ちい~的な感じ」をイメージしてください。その時、盛んに活動している自律神経です。

反対に、交感神経は体が「仕事・攻撃モード」の時に主役になる自律神経です。昼の自律神経とも言えます。
おめめパッチリで頭がシャキっとして仕事をしているときに盛んに活動している自律神経です。世の中的には、「闘争・逃走反応」を引き起こす自律神経と言われています。

③ ベッドに横になっているときは副交感神経優位

ベッドに横になっている時は、副交感神経優位になりやすいと言えます。交感神経の活動レベルが上がりにくいからです。

挿入前にパートナーにオーラル(口)で刺激してもらって勃起の状態も中々なので、そのままパートナーが上になるポジションで挿入、ここまでは順調です。

挿入後も勃起が維持できているようなので、

「よし、今度は自分が上になって…」と体を起こしたところで元気が無くなっていく。

「早く挿入しないと軟らかくなってしまう…」

「ああ、挿入できない…」

ついさっきまで問題なかっただけに、「なぜっ!?」という思いが強いことでしょう。

体を起こしてから生理学的に何が起こっているのかを説明しましょう。

④ 体を起こすと交感神経の活動レベル上昇

体を起こすことで頭(脳)と心臓の位置関係が変化します。

ベッドで横になっているときには頭(脳)と心臓の位置は、ほぼ同じ高さです。

ですから、心臓があまり頑張らなくても脳に血液が循環します。

ところが、体を起こして頭の位置が心臓よりも高くなると、脳に血液を循環させるために、心臓はポンプの出力を上げる必要があります。

同時に、血管を細くして血管内の圧力を高めて心臓のポンプの働きを助けます。

この「心臓の血液循環のポンプの出力を大きくする」、「血管を細めて血管の内圧を高める」、すなわち「血圧を高くするのが交感神経の働き」なのです。

体を起こして頭の位置が心臓よりも高くなると、横になっていた時よりも交感神経の活動レベルが上がるため、副交感神経の活動レベルが落ちていなくても、相対的に交感神経優位の状態に近づきます。

勃起に適した自律神経の状態は副交感神経優位なので、交感神経優位に近づくのは勃起にとってはNGです。

一般的には、自律神経活動に関して、「交感神経が上がれば副交感神経は下がる」という、シーソーや天秤のイメージで交感神経と副交感神経の関係が説明されることが多いようです。
しかし私は、交感神経と副交感神経の活動は別々で、「交感神経の活動が上がれば勝手に副交感神経の活動が下がる」というような単純な自律神経活動ではないと考えています。(ポリヴェーガル理論に基づいた自律神経活動を想定しています。)

⑤ 正常位になっても萎えない勃起は自律神経次第

しかし、体を起こして血圧が上がる局面になって交感神経の活動が少しぐらい高まっても、自律神経の状態が、十分な副交感神経優位(=自律神経ギャップが大きい状態)であれば、依然として副交感神経優位の状態を保てるので勃起は維持されます。

*自律神経ギャップ:平癒堂鍼灸独自の概念で「交感神経と副交感神経の活動レベルの差」を指します。

体位変換で萎えてしまわない方の自律神経の状態が、この自律神経ギャップが大きい「十分な副交感神経優位」の状態です。

しかし、自律神経の状態が、副交感神経優位であったとしても、交感神経の活動レベルが十分下がっていない場合は、十分な副交感神経優位とは言えません。(=自律神経ギャップが小さい状態)

副交感神経の活動レベルが交感神経の活動レベルよりも十分に優位でない場合(自律神経ギャップが小さい場合)、交感神経の活動レベルが少し上がることで副交感神経の活動レベルを超えてしまうことがあります。

そうです。体を起こして、交感神経の活動レベルが少し上がってしまっただけで、交感神経の活動レベルが副交感神経の活動レベルを超えてしまった場合、勃起に必要な副交感神経優位の状態でなくなってしまうことがあるのです。

ですから、もともとセックスが始まるときに十分な副交感神経優位でない(=自律神経ギャップが小さい)と、「正常位に体位変換するときに元気が無くなる・萎えてしまう」という現象が起こってしまうのです。

これが正常位になると萎える現象の生理学的に起こっていることです。

交感神経と副交感神経の活動レベルの上下動が勃起の状態を左右します。

ですから、体位変換して「正常位になっても萎えない勃起は自律神経次第」ということができるのです。

体位によって勃起しやすいかそうでないかは生理学的に決まっているという話↓です。
【勃起110番ライブ】勃起しやすいポジション・勃起しにくいポジション ~ 勃起しやすいポジションには生理学的な理由がある 〜

⑥ 正常位で萎えないようにするためには自律神経ギャップを大きくする必要がある

体位変換しても・正常位になっても萎えないようにするためには十分な副交感神経優位の状態を作ることが必要だということは知っていただけましたか?

では、どうすれば自律神経ギャップを大きくすることができるのかをお話しします。

自律神経ギャップを大きくするには、メリハリのある自律神経活動が必要です。

交感神経と副交感神経は別々に働いていて、それらの活動にメリハリの利いたダイナミックな上下動が起こることによって自律神経ギャップが作られると私は考えています。

自律神経の活動にはダイナミックな上下動が必要なのです。

ダイナミックな上下動があってこそ、自律神経ギャップが大きくなって、十分な交感神経優位、十分な副交感神経優位の状態になれるのです。

十分な交感神経優位とは、= 頭が冴えて仕事がバリバリできる、体が仕事・攻撃モードの時に最適な自律神経の状態です。十分な副交感神経優位とは、= ゆったりした気分で不安のない、体がリラックス・回復モードの時に最適な自律神経の状態です。

⑦ 自律神経に揺さぶりを掛けることで自律神経ギャップが大きくなる

私には「自律神経を整える」というイメージがありません。

自分の意思では自律神経はコントロールできません。

だから、いつでも自律神経は勝手に整ってくれているのです。

私たちが意図的にできるのは、「自律神経に揺さぶりを掛けて自律神経活動にダイナミックな上下動を作るキッカケを作ること」だけです。

⑧ 自律神経に揺さぶりを掛ける平癒堂鍼灸の鍼

平癒堂鍼灸では、鍼施術で自律神経にアプローチを掛けて、強制的に副交感神経優位の状態にします。

腰とお尻に鍼をして通電(鍼に電気を流す)することで、普段あまり経験していない十分な副交感神経優位(自律神経ギャップの大きい副交感神経優位)の状態にします。

鍼の施術中、知らない間に眠ってしまうことも多いです。涙が出たり、よだれを食ったり、鼻水が垂れたりすることもあります。

鍼の施術後は、ボーっとしたり、体がふわふわした感じになったり、ちょっとお酒を飲んだ時のような感じになることもあります。これらはみな副交感神経優位になった時に現れる生理現象です。

「ああ、もうこのままちょっと寝て行きたいわ。」と言われる方もいらっしゃいます。体が睡眠を要求しているので、やはり副交感神経優位のときの反応です。

勃起のことで悩んでいる方は大抵、日常生活で十分な副交感神経優位の状態になっている時間が無いか少ないかです。

鍼によって、普段あまり経験することのない十分な副交感神経優位の状態にすることで、自律神経に揺さぶりを掛けることができます。

自律神経は、その場その場に適した内臓の状態にするのが仕事です。

施術が終わったまま、そのまま就寝するわけではないので、靴を履いて平癒堂鍼灸の外に出て歩いて電車に乗って、あるいは車を運転して仕事に戻る・家に帰るということをしなければなりません。

そのとき、鍼施術直後の副交感神経優位の状態のままでは困ります。

そこで自律神経は、「靴を履く」「外に出る」「歩く」「電車に乗る」「車を運転する」、その後「仕事をする」など、そのときどきに適した内臓の状態になるようコントロールします。

急激に自律神経の状態を変えることを強制されるわけですから、そこで交感神経と副交感神経の活動のダイナミックな上下動が起こるわけです。

「鍼が自律神経に揺さぶりを掛ける」ことができると言えるのは、そういう理由からです。

「自律神経に揺さぶりを掛けて勃起しやすくする鍼」に、ご興味おありの方は平癒堂鍼灸にご相談ください。

⑨ 副交感神経優位になる機会が多いと勃起しやすくなる

また、鍼施術が強制的に自律神経を十分な副交感神経優位にすることで、副交感神経の活動レベルが上がりやすくすることにもなります。

体位云々以前に勃起しやすくなるということです。

平癒堂鍼灸に通院されていた方で、帰宅してから食事すると食事の時間がかなり遅くなるので施術後、平癒堂鍼灸の近所で食事をされてから家に帰られるという方がいらっしゃいました。

この方、施術後の「食事中は大抵勃起していた」とおっしゃっていました。

食べて消化管にモノが入ると消化管が自動的に動いて副交感神経の活動レベルが上がります。

食事前に、鍼の施術で副交感神経の活動レベルが一旦引き上げられています。

施術が終わって一旦比較的ニュートラルな状態に自律神経がなったにもかかわらず、食事をすることで再び副交感神経の活動レベルが上がることになります。

鍼で副交感神経の活動レベルが上がった直後なので、キッカケがあれば、また副交感神経優位になりやすい状態であったと考えられます。

朝立ちやうたた寝で勃起するときの自律神経の状態と同じような状態になったので勃起したということです。

副交感神経優位になる機会が多くなれば、副交感神経の活動レベルも高くなりやすい=勃起しやすくなるという実例です。

強制的に副交感神経優位にして「勃起しやすくする鍼」にご興味おありの方は平癒堂鍼灸にご相談ください。

⑩ 自分でできる勃起しやすい自律神経作り

最後に、ご自身で出来る自律神経に揺さぶりを掛ける方法もご紹介しておきます。

鍼ほど直接的なアプローチではありませんので鍼よりはマイルドではありますが、勃起しやすい自律神経作りの助けにはなります。

2つあります。

一つは「環境の激しい変化に体をさらす」方法で、もう一つは「感情の揺さぶられる経験をする」という方法です。

環境の激しい変化に体をさらす方法は、体の中を一定の状態に保つことが仕事の自律神経にとっては負荷となります。(自律神経にとって環境の激しい変化はサプライズです。)

その負荷が自律神経に揺さぶりを掛けます。

自律神経の調整機能が働かざるを得ない状況を作り出すことで、自律神経に揺さぶりを掛けるということです。

代表的なのはサウナです。

熱いところ、冷たいところ、普通のところ、を行ったり来たりするので、激しい環境の変化があります。

サウナは、生理学的には運動している時との類似点も多いようですので、サウナは動かない運動とも言えるでしょう。

ですから、運動が嫌いな方で「我慢することに耐えられる」という方が、自律神経に揺さぶりを掛けるにはサウナはお薦めの方法です。

注意点もあります。

サウナ中やサウナのあとに気持ち悪くなるようであれば、それは自律神経に負荷を掛け過ぎです。

やりすぎってことです。

筋トレにおけるオーバーロードやオーバーワークに相当します。

明らかにその方の自律神経の調整機能を超えた負荷を与えてしまっては、自律神経が消耗・疲弊するだけです。

やり過ぎには要注意です。無理に我慢しないでください。

我慢大会をしても、勃起しやすくする自律神経作りはできませんし、正常位で萎えなくすることもできません。

二つ目、「感情の揺さぶられる経験をする」という方法です。

自律神経の活動は精神活動に影響を受けます。(そもそも感情の起源である顔の表情は内臓の状態を反映したものです。)

精神状態によって体調が左右されるのは、内臓をコントロールしている自律神経が精神活動に影響を受けるからです。

大抵の場合、日常生活でストレスが掛かったり、忙しかったり、いやな気持になったり、ネガティブな精神活動は経験しています。

ですから、感動するとか、幸せな気持ちになるとか、泣いた後スッキリするような涙を流すとか、そういうポジティブな感情を伴う経験をするようにしてみてください。

映画を観て泣くとか、楽しいことをひたすら続けてやるとか、そういうことが思いつかない方は、動物の動画を見て癒されるとか、子供だけでお遣いに行く番組を見て泣くとか、そういう感じでもいいです。

気持ちに変化の現れることをしてみてください。

自律神経に揺さぶりを掛けることができれば、ダイナミックな自律神経活動が起こるようになって自律神経ギャップが大きくなって、十分な副交感神経優位になって正常位で萎えなくなるかもしれません。

ただし、自律神経に揺さぶりが掛かっているかどうかはなかなか自分で判定できませんから、ご自身で自律神経に揺さぶりを掛けるのは難しそうだなと感じたら平癒堂鍼灸にご相談ください。

ED(勃起不全)でお悩みの方、男性性機能の充実をお望みの方、妊活中の方(男性女性とも)はご相談ください。

相談無料です。

平癒堂鍼灸の鍼は恥ずかしい思いをすることなく受けられます。

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平癒堂鍼灸(へいゆどうしんきゅう) 平谷 透 E-Mail : shinq.th@gmail.com

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動画添付あり

https://www.youtube.com/watch?v=nsmqNgbctvA&t=48s&authuser=0