長年腰痛でお悩みの方、腰痛を我慢していらっしゃる方の数、それに腰痛を経験したことのある方、ギックリ腰をやったことがある方の数を合わせて考えると、腰痛を知らない人なんてこの世にいないんじゃないか?とも思います。
こんにちは、ハイブリッド鍼灸師の平谷です。
目次
腰痛には決定的な治療法がないのが常識?
けれども、「決定的な治療法がない」というのが世間一般の理解じゃないでしょうか?
では、医療者はどのように考えているのでしょうか?
アメリカ内科医師会のガイドライン
アメリカ内科医師会(ACP)の、
“急性,亜急性および慢性腰痛に対する非侵襲的治療法のガイドライン”
(Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians)
によると、三つの勧告がなされています。2017年の発表です。
WEBサイト https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28192789
まずは薬を使わずに
勧告1では、急性,亜急性の腰痛は「治療に関係なく時間とともに改善する」ので、
第一選択肢は、薬を使わずに、温熱療法とマッサージ、鍼、脊柱マニュピレーション(日本ではカイロプラクティックが代表的です)だとしています。
温めることは適度な中程度の根拠(moderate-quality evidence)があるとしています。
一方、薦められているにも関わらず、マッサージ、鍼、脊柱マニュピレーションは、根拠が低品質(low-quality evidence)だとしています。
温めるより鍼のほうが効果が低いって…
鍼灸師としては苦笑せざるを得ないですね。笑
加えて薬の使用が望まれるなら、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)または骨格筋弛緩剤を選択すべきであるとしています。
ただ、原文には“pharmacologic treatment is desired”となっているので、誰が「のぞむ」(=desire)のかが分かりません。
アメリカでは患者が望めば薬は処方されるってことでしょうか?
勧告1のグレードは強い推奨です
慢性腰痛も、まずは体を動かしてみる
勧告2で、慢性の腰痛に関しても、第一選択肢としては、薬を使わずに、運動、色々なリハビリ、鍼、マインドフルネス(今ここに没頭するって感じ、リア充に浸る感じといったところでしょうか?)に基づくストレス軽減が挙げられています。
そして、ここまでが適度な中程度の根拠あり。
太極拳、ヨガ、モーターコントロールエクササイズ、漸進的弛緩法、筋電図バイオフィードバック、低レベルレーザー療法、オペラント療法、認知行動療法、脊椎マニュピレーションは、根拠が低品質だとしています。
慢性に関しては、鍼は中程度の根拠があるということで、効果ありの評価をされているようです。
勧告2も強い推奨となっています。
慢性腰痛に薬が効きにくい場合、強い薬は慎重に使用
勧告3では薬の選択についてです。「慢性腰痛で非薬理療法に対する反応が不十分な患者においては、第一選択肢として、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、次にトラマドール(鎮痛剤でうつに処方されることもあります)またはデュロキセチン(抗うつ薬)を用いる薬理学的治療を考慮するべきである」としています。
勧告3は、中程度の根拠があるが低い推奨度にとどまっています。
アメリカ医療者の腰痛に対する認識
勧告1では急性・亜急性の腰痛には薬をなるべく使わないことを推奨しています。
勧告2では慢性腰痛は体を動かすことを推奨しています。
勧告3では慢性の腰痛には非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)または骨格筋弛緩剤が効きにくい場合は、推奨度は低いものの、強い鎮痛作用を持つオピオイド系の薬やSNRI系の抗うつ薬の使用も考えるべきであるとしています。
アメリカ内科医師会(ACP)の勧告を分かりやすく意地悪な表現にすると、
「薬は注意して使う必要があります。まずは薬以外で治療してみて下さい。効果は保証できませんが。」
と、いったところでしょうか。
医療者側(アメリカ)も決定的な治療法がないという認識のようです。
腰痛になったらどうすればいいのか?
じゃあ結局腰痛になったらどうすればいいんでしょうか?
腰痛に決定的な治療法がないわけですから、自分の好きな治療法を選ぶ事で良いのではないでしょうか?
腰痛になったら我慢せずに自分の好きな方法の治療を選択する事でいいと思います。
ただし、人の体をよく理解している治療家を探して下さい。
解剖学や生理学を理解していない自称セラピスト,自称治療家もいます。国家資格を持っていても、一般の方々と同等の知識しか持ち合わせていない国家資格保持者もいますので注意が必要です。
どうやってよい治療家かそうでないかを見分けるには、とにかくどんなことでもいいので質問してみて下さい。治療の前にまず相談してみてください。
納得のできる答えが返ってくればその治療家に身体を預けても問題ないと考えます。
自分自身の体のことです。納得するまで質問して決める事が大事だと私は思います。
宣伝を忘れるところでした。笑
もちろん平癒堂鍼灸でも腰痛治療をしています。
ご相談ください。
相談無料です。
トリガーポイントアプローチと自律神経矯正鍼(じりつしんけいきょうせいしん)であなたの人生を楽しくする。
平癒堂鍼灸(へいゆどうしんきゅう) 平谷 透 E-Mail : shinq.th@gmail.com