こんにちは、ハイブリッド鍼灸師の平谷です。
以前このブログで鍼はほとんど痛くないというお話をしました。(コチラも参考にして下さい。)
今日は更に突っ込んで、鍼をされたらどんな感じがするのか?どんな感覚が生じるのか?というお話です。
鍼がたまに痛いのは、ほとんど切皮(せっぴ)という、鍼が皮膚表面を貫く瞬間です。
今回は切皮の瞬間のことではなく、鍼が悪いところに当たったときにどんな感じがするのか?についてです。
目次
鍼の感覚=鍼の響き 【その一】お寺の鐘
鍼が筋肉の中を進んでいって、鍼が悪いところに当たったとき、「ズーン」となります。
なんのこっちゃですね。(笑
この「ズーン」を鍼の響きと言います。
響きと言う言葉から想像できる感じをイメージしてみて下さい。
一点から始まって、その周りに広がっていくような感じです。
お寺の鐘の「ゴーン」をイメージしてみて下さい。
あまり近くの鐘じゃ強すぎますので、少し離れたところのイメージでお願いします。
それが体の中で起こります。
ゴーンは硬いものに硬いものがあたったときの音ですよね。
鍼の響きの「ズーン」は、「じわーっ」と拡がる感じです。
「ゴーン」より、もっと柔らかいもののイメージです。
温かいものを飲んだときに体中に温かいものが拡がっていく感じ。それが鍼の響きです。
鍼の感覚=鍼の響き 【その二】水滴の波紋
水面を想像してみてください。波のまったくない静か~な水面です。
そこに水滴を一滴落としてみて下さい。
「ポトーーーン」とか、「ぴちょーーーん」って感じです。
水面に起こった波紋が広がっていく気持ちいい感じ。それが鍼の響きです。
鍼の感覚=鍼の響き 【その三】押されている感じ
鍼の当たっているところが、「押されている感じ」がします。
手技では触れないところに、つまり手技では圧の届かないところで、この「押されている感じ」がします。「押えられたことのないところを押されている感じ」がするのです。「中を押されている感じ」です。
「重たい感じ」、「引っ張られてる感じ」がすることもよくあります。
鍼の響きが起こっているときは、鍼の刺激している筋肉が実際に収縮しているので、このような感覚になるのだと思います。
鍼の感覚=鍼の響き 【その四】温かい
温めているわけではないのですが、「温かさ」を感じることもあります。
鍼刺激に反応する神経の種類が、温度差に反応する神経と同じ種類であることからこういう現象が起こると考えられます。
鍼の感覚=鍼の響きに共通する感覚=イタ気持ちいい
お話してきたような鍼の感覚に共通したものがあります。
「イタ気持ちいい」=痛いけれども、気持ちがいい感覚です。
鍼を受けられた方の反応としては、鍼の刺激で、「いったーっ」と言っているにも関わらず耐えてしまう。
そんな感じでしょうか。
「いったーっ」の反応のとき、私が、「今の鍼抜きましょうか?」とお聞きしても、「いや、そのままで!」というお返事をいただくことが多いです。
同時に、「それっ!」とか、「そこーっ!」という感覚もよく起こります。
交感神経優位から副交感神経優位という自律神経のスイッチング
不思議なのは、「いったーっ」、「それっ!」「そこっ!」という感覚で結構興奮状態にあるにもかかわらず、その後からスースーと寝てしまわれる方も少なくありません。
これらの現象から、鍼の刺激で交感神経(自律神経の仕事・攻撃モード)が興奮した後、副交感神経(自律神経のリラックス・回復モード)優位に切り替わっていることが推測できます。
そして、こういう反応のある治療を続けていると自律神経の活動が安定してきます。
定期的な鍼治療がメリハリのあるバランスのとれた自律神経活動をつくり出します。
注:鍼にはさまざまな方法があります。このコラムでお話したのは平癒堂鍼灸の鍼を受けたときの感覚です。
トリガーポイントアプローチと自律神経矯正鍼(じりつしんけいきょうせいしん)であなたの人生を楽しくする。
平癒堂鍼灸(へいゆどうしんきゅう) 平谷 透 E-Mail : shinq.th@gmail.com